歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療
いままでの矯正治療では、歯を効率的に移動するために、ヘッドギアー等の顎外固定装置が広く使われてきました。しかし、ヘッドギアーを用いての矯正治療を成功させるためには、患者さんがヘッドギアーの使用に協力的であることが重要で、非常に負担を強いるものでもありました。また、一日中装着したままにはできないので、使用時間 も限られ、効率的に歯を動かすことはとても困難でした。
「歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療」とは、矯正用に作られた小型のチタン製ネジを顎の骨に埋め込み、そのネジを固定源として歯を動かす治療方法で、近年急速に発展・発達した方法です。この歯科矯正用アンカースクリューを治療に取り入れることにより、ヘッドギアー等を用いる従来の方法よりも効率的・短期間で歯を動かすことができ、そしてなによりも患者さんの負担を劇的に減らすことが可能となりました。
症例1
症例2
歯科矯正用アンカースクリューは非常に有効な方法ですが、デメリットもあります
全ての装置に言えることですが、当然デメリットもあります。
まずアンカースクリューを骨に埋め込むときに、麻酔の注射(抜歯時の1/4程度と少量です)が必要となります。また、口腔内を不潔にしていると細菌感染等によりぐらぐらしてきたり、抜けてしまうことがあります。
術式の問題や患者さんの骨の質などで変わってきますが、成功率は90%前後と言われています。またアンカースクリュー周囲も歯と同様しっかりと磨くことが大切です。
アンカースクリューの適応年齢ですが、小学生以下ですと骨が柔らかく打てません。通常は中学生くらいから使用可能と言われています。